両親が亡くなった後の相続の手続きが大変だった……、そんな話を周囲から聞いたことはありませんか?親と将来の自分の負担軽減のため、親の終活で子の立場でサポートできること、どう終活について切り出せばよいかなど、親の終活サポートについてご紹介します。
- 親が元気なうちに相続の準備をしておくことが大事
- 親にどう終活を切り出せばいいか分かる
- 親の終活を進める上での注意点が分かる
早めにやらないとマズイ!親の相続、ココが大変
相続について、「お金のことは親と話しづらい」と思われる方が大半でしょう。しかし、親が元気なうちに準備をしておかないと、大変なことになってしまいます。
相続の手続きには、親の財産を把握し何がいくらあるのか、明らかにすることが必要です。たとえば、親の通帳のありかや銀行に登録している実印、銀行や証券会社にいくつ口座があるのか分からず困ったというケースが多くあります。また、万が一亡くなった後もどこにどんな資産があるか分からなければ、タイムリミットがある相続の手続きが全く進められないという状況に陥ってしまいます。
また、「うちは資産なんてないから大丈夫」と思っていませんか?実は、いわゆる“普通の家”の方が相続でもめるケースが多いのです。令和元年の司法統計で「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」の遺産の価額別を見ると、33%は「遺産1000万円以下」、76%が「遺産5000万円以下」だそう。よって、「相続トラブルはお金持ちだけ」という対岸の火事ではなく、普通の家でも十分に起こり得るものなのです。
親が亡くなった後、兄弟や親族でもめないためには親が元気でしっかりしているあいだに、お金や相続について話し合っておくことをおすすめします。
親と相続の話できていますか?終活のことを切り出すコツって?
最新の調査では、親と相続する資産の話をしたことある人はわずか2割だったそうです(※)。親に終活を進めてもらいたいと考えていても、切り出すのはなかなか難しいもの。オープンには話しづらい話題ですし、あらぬ誤解を招きたくないと避けたい気持ちもありますよね。
ならば、どう切り出すのがよいでしょうか。
そんなときは身近な人や芸能人の話から切り出すと良いでしょう。「〇〇さんのところは前もって全部片づけてくれていたから、お子さんもとても楽だったって」など「何もしなかったから大変だった」というネガティブな話から入るのではなく、「家族が楽になった」とポジティブに話を切り出すのがおすすめです。
また、「私も早めに終活を始めたから一緒にがんばろう」など一緒にやろうと促すのも効果的です。
自分よりも下の世代の、ましてや子どもの方が先に終活を進めていると聞けば、多くの親は「それよりも自分が先に行わないと」という気持ちを持つでしょう。
※出典:葬儀社紹介サービス「安心葬儀」:「親の終活に関する意識調査」((株式会社エス・エム・エス/2023年12月)
親の終活を進めるうえでの注意点
現在でこそ終活はポジティブな印象を持たれるようになった言葉ですが、「死に向かい合うこと」は人によっては大きなストレスとなるのも事実。そのため、親が抵抗を示すのであれば、無理強いはやめておきましょう。終活は、「自分の終わり」と向き合うためのものであるため、親自身の意思を何よりも尊重するのが大切です。
また、兄弟がいる場合は、兄弟ともよく話し合ってから進めるべきでしょう。
子どもが親の終活を手伝うことで、親も子どもも楽になります。前向きな気持ちで一緒に終活を進めてみてくださいね。