こんにちは。グリーフケア士の吉原友美です。今回は、多くの方から寄せられるグリーフケアに関する質問にお答えしていきます。
1: グリーフケアって何ですか?どんな時に必要なのでしょうか?
大切な人や物、地位などを失った際に生じる悲嘆(グリーフ)に寄り添い、その過程を支援することです。
必要となる場面は様々です:
●愛する人との死別
●ペットとの別れ
●離婚や失恋
●仕事の喪失
●病気による身体機能の喪失
実は、人生の様々な場面でグリーフケアが役立ちます。自分や周りの人の心の変化に気づくことが第一歩です。
2: 悲しみを感じるのは良くないことでしょうか?
決してそうではありません。悲しみを感じることは自然な反応です。
重要なポイント:
1. 悲しみを抑え込まない
2. 自分のペースで向き合う
3. 無理に「早く立ち直らなければ」と思わない
悲しみの過程は人それぞれ。自分の感情を大切にしましょう。
3: 大切な人を亡くした友人を励ますには、どうすればいいですか?
「励ます」よりも「寄り添う」ことが大切です。
具体的なアプローチ:
1. じっくり話を聴く
2. 感情を否定しない
3. 無理に気を紛らわせようとしない
4. 具体的な手伝いを申し出る(食事の準備、家事など)
例えば、「頑張って」ではなく「あなたのペースでいいんだよ」と伝えるのも効果的です。
4: グリーフの過程に決まった順序はありますか?
一般的に「キューブラー・ロスの5段階説」が知られていますが、必ずしもこの順序で進むわけではありません。
5段階:
1. 否認
2. 怒り
3. 取引
4. 抑うつ
5. 受容
これらの感情は行きつ戻りつするもの。順序にこだわらず、自分の感情の動きに注目することが大切です。
5: 子どもの悲嘆反応は大人と違いますか?どうサポートすればいいでしょうか?
はい、子どもの反応は年齢によって異なり、大人とも違います。
子どものグリーフの特徴:
●断続的な悲しみ(遊びと悲しみの繰り返し)
●行動で表現することが多い
●大人が思わぬことで動揺することも
サポートの仕方:
1. 安全な環境を提供する
2. 正直に、年齢に応じた説明をする
3. 感情表現を促す(絵を描く、遊びを通じてなど)
4. 日常のルーティンを維持する
子どもの変化に敏感になり、必要に応じて専門家に相談するのも良いでしょう。
6: グリーフケアで、セルフケアは重要ですか?具体的な方法を教えてください。
はい、セルフケアは非常に重要です。
自分を大切にすることが、回復への第一歩となります。
具体的な方法:
1. 十分な睡眠と栄養を取る
2. 軽い運動や散歩を日課にする
3. 信頼できる人に気持ちを話す
4. リラックスする時間を作る(入浴、音楽鑑賞など)
5. 無理をしない、自分を責めない
例えば、「今日は10分だけ散歩しよう」など、小さな目標から始めるのがコツです。
まとめ:グリーフケアは「生きる力」を育むプロセス
グリーフケアは、単に悲しみを乗り越えることだけが目的ではありません。それは、人生における喪失と向き合い、新たな自分を見出していくプロセスでもあるのです。
悲しみの中にあっても、少しずつ前を向いて歩んでいく。その過程で、自分の内なる強さに気づくことも少なくありません。
グリーフケアについて知ることは、自分自身や大切な人々との関係を深める機会にもなります。日々の生活の中で、お互いの気持ちに寄り添い、支え合える関係性を育んでいけたらいいですね。
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