こんにちは。終活コーディネーター/グリーフケア士の吉原友美です。
「実家のお墓を片づけたいけど、どうすればいいかわからない」
「遠方のお墓に通うのが負担になってきた」
「子どもに負担をかけたくないから、自分の最期の場所は今のうちに決めておきたい」
こんな声をいただくことが、ここ数年とても増えてきました。
“墓じまい”という言葉は、どこか冷たい印象を持たれることがありますが、
私はこう考えています。
墓じまいは、ご先祖とのつながりを終わらせるものではなく、今の時代に合わせて“想いを引き継ぐかたちを選び直す”こと。
それは「終わり」ではなく、「これからの供養のはじまり」なのです。
目次
今、墓じまいを考える人が増えている理由

今の社会では、従来の“家で守り続けるお墓”を維持するのが難しくなっています。
少子化、核家族化、都市部への移住…。
お墓が遠方にあり、お参りや管理が負担になっている方も多いのではないでしょうか。
そして何より、「後に残る家族に迷惑をかけたくない」という気持ちから、
お墓のあり方を見直す方が増えているのです。
最新のお墓事情。選択肢はここまで多様に

今どきのお墓は、「石のお墓」だけではありません。
大切なのは、「誰かのために残す」のではなく、**「自分らしい供養の場所を選ぶ」**という視点です。
例えば──
永代供養墓:お寺や霊園が供養を代行してくれる。跡継ぎがいない方にも安心。
樹木葬:自然の中に眠る新しい供養のかたち。自然志向の方に人気。
納骨堂:屋内型で、立地がよく、管理やお参りのしやすさが魅力。
夫婦墓・個人墓:従来の家墓にとらわれず、自分や大切な人と眠るための墓地。
こうした多様な選択肢があるからこそ、**“墓じまいをした後に、あらためて自分に合ったお墓を探す”**という流れが生まれています。
自分に合ったお墓を見つけるコツ
「でも、選択肢が多すぎて迷ってしまう」
「どう探せば、後悔しないお墓に出会えるの?」
というご相談も少なくありません。
実は、お墓選びにおいて大切なのは、「価格」や「立地」だけではありません。
心に寄り添ってくれる“人”との出会いが、納得できるお墓選びにつながるのです。

・自分の希望やライフスタイルをしっかり聞いてくれる
・家族の状況や将来のことまで一緒に考えてくれる
・墓じまいから新しいお墓探しまで、全体を見通してアドバイスしてくれる
そんな相談先があると、迷いや不安が自然とほぐれていきます。
もし可能であれば、地元で信頼できる終活アドバイザーや葬儀社、お寺や霊園の担当者に、まずは気軽に話をしてみてください。
「売るため」ではなく「想いを整理するため」に、じっくり耳を傾けてくれる方と出会えると、きっと安心して進めていけるはずです。
“後悔しない墓じまい”は、“納得できる新しい選択”から
「お墓をたたむ」という選択をしたあとに、
自分らしい新しい供養のかたちに出会えると、人はとても穏やかな表情になります。
「こんな場所なら、安心して眠れる気がする」
「子どもに負担をかけずに済むから、心が軽くなった」
そんな言葉を聞くたびに、供養とは“心の整理”でもあるのだと、私は実感します。
だからこそ、焦らず、ひとつひとつ想いを確認しながら進めていくことが大切です。
情報収集をしたり、現地を見学したり、まずは「知ること」から始めてみてください。
供養とは、これからを生きる人のためにある

お墓は、“亡くなった人のため”のものと思われがちですが、
実は“遺された人の心を支えるため”の存在でもあります。
手を合わせる場所があること。
想いを託せる空間があること。
それは、私たちが生きていくうえで、心のよりどころになるのです。
ご先祖様とのつながりを大切にしながら、
今の自分と未来の家族にとっても無理のない、心が安らぐ場所を探す。
それが、いま選ばれている「新しいお墓のかたち」です。
もし、あなたが今「お墓のことで少しモヤモヤしている」「このままでいいのかな」と感じているなら、それはきっと、“見直すタイミング”が来ているというサインかもしれません。
身近な信頼できる人に、そっと相談するところからで構いません。
その一歩が、あなたとご先祖様、そして未来のご家族をつなぐ、
とてもあたたかい供養のはじまりになりますように。