「終活をしない」という新しい視点

  • #50代からの終活のススメ

皆さんは「終活」という言葉を聞いて、どんなイメージを持ちますか?

多くの方が「エンディングノートを書く」「遺品整理をする」「家族に迷惑をかけない準備をする」といった活動を思い浮かべるでしょう。これらは確かに重要です。しかし今回は、少し視点を変え、「終活をしない」という選択肢について考えてみたいと思います。

終活を「しない」とは?

終活をしない、というと何も準備しないように聞こえますが、実際はそうではありません。この選択肢の本質は、「未来のための準備」に縛られるのではなく、「今を大切に生きる」ことにあります。

終活に力を入れるあまり、「これを片付けなきゃ」「家族のためにこうしておかなくては」と、自分の人生の残り時間を準備だけに費やしてしまうことがあります。その結果、まだできることや楽しめることを後回しにしてしまう場合もあるのです。

「今を生きる」という価値観

終活をしない、という考え方は、「自分が一番心地よく感じることを優先する」という生き方です。
例えば、身の回りの整理を急ぐよりも、好きな趣味に時間を費やしたり、気になる場所へ旅行に出かけたりする方が、心が豊かになるかもしれません。

このように、「後悔しないための準備」ではなく、「毎日を後悔しない生き方」を目指すのが、この視点のポイントです。

不安との向き合い方

もちろん、「終活をしない」と決めると、不安を感じる方もいるでしょう。「家族に迷惑をかけないか」「もしもの時に困らないか」と思うのは自然なことです。しかし、不安を解消する方法はいくつかあります。例えば、すべてを完璧に整理しなくても、必要最低限の情報だけを残しておくというのも一つの手段です。重要な連絡先や希望する医療に関する簡単なメモを残すだけで、家族に安心感を与えることができます。

また、あえて家族や親しい友人と、「こういうときはこうしてほしい」という話題を、普段の会話の中で少しずつ共有しておくのも効果的です。

終活をしないことで見える「私らしさ」

終活をしないことで、逆に自分自身の価値観が見えてくることがあります。

何をしているときが一番楽しいのか、誰と一緒にいるときが安心するのか。これらに改めて気づく時間が増え、結果として「自分らしい生き方」を模索するきっかけになるのです。

趣味に没頭する時間
親しい人との何気ない日々
思い切った冒険や挑戦

これらは、「未来のために準備する」ではなく、「今を豊かにする」選択肢の一部です。

大切なのは「バランス」

終活をしない、とは終わりの準備を全て否定することではありません。むしろ、自分の心がどうすれば満たされるのかを考えることに重きを置いています。
時には、自分を満たす時間を優先してみてください。それは、未来への備え以上に、あなたの人生に彩りを与えてくれるはずです。

最後に

終活をするかしないかは、選ぶべき「正解」があるわけではありません。
ただ、「今を生きる」ことにフォーカスすることで、あなたの人生はより自由で、豊かなものになるでしょう。

人生の最後を迎える準備をするのではなく、人生の今を楽しむ準備をしてみませんか?
「終活をしない」という新しい選択肢が、あなたの心を軽くしてくれるかもしれません。

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監修者

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𠮷原友美

常務取締役、終活コーディネーター。家族が早くに他界した経験から死生観を育成して生きる大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い死生観について伝え、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説。セミナー参加数は累計2万人以上の人気を誇る。

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