こんにちは。グリーフケア士の吉原友美です。今回は、60歳以上の皆さんに向けて、グリーフケアの視点から家族の絆を深める方法についてお話しします。
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𠮷原友美(よしはらともみ)プロフィール
東上セレモサービス常務取締役、終活コーディネーター、グリーフケア士。一般社団法人ライフ・パートナーズ理事。自身の家族が早くから他界。その経験から死生観を育成して生きていくことの大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い、死生観育成について伝えている。
また、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説する。セミナーの参加数は累計2万人以上の人気を誇り、自社では3万件以上の葬儀を承っている。
グリーフケアの視点で考える家族の絆
グリーフケアとは、大切な人や物との別れに伴う悲しみや喪失感に寄り添い、それを乗り越える手助けをすることです。しかし、グリーフケアの本質は、実は喪失後のケアだけではありません。
日々の生活の中で、家族との絆を深め、お互いを大切に思う気持ちを育むことも、将来起こりうる喪失に備える重要な「予防的グリーフケア」なのです。
60代に入ったからこそ……。
60代は、人生の大きな転換期です。子どもの独立、親の介護、自身の退職など、様々な変化が訪れます。この時期だからこそ、家族との絆を見直し、深める機会として捉えることが大切です。
グリーフケアの視点で家族の絆を深める5つの方法
1.「聴く」ことを大切にする
●家族の話に耳を傾け、相手の気持ちを受け止める
●批判や助言をせず、ただ聴くことに徹する時間を作る
実例:62歳の田中さんは、週に1回「聴く日」を設け、家族の話を集中して聴く時間を作りました。その結果、家族間のコミュニケーションが活性化し、お互いの理解が深まりました。
2.感謝の気持ちを表現する習慣をつける
●日々の小さなことに対しても「ありがとう」を伝える
●感謝日記をつけ、定期的に家族と共有する
●ポイント:感謝の気持ちを伝えることで、お互いの存在の大切さを再確認できます。
3. 家族の歴史を共有し、未来を語り合う
●家系図を作成し、先祖の物語を掘り起こす
●家族それぞれの将来の夢や希望を共有する機会を設ける
●効果:過去を振り返ることで家族の絆を再確認し、未来を語ることで希望を共有できます。
4. 「今」を大切にする時間を作る
●家族での食事会や旅行を定期的に計画する
●日常の些細な出来事も大切にし、共有する
●体験談:67歳の佐藤さんは、毎月1回の家族ディナーを始めました。この時間を通じて、普段話せないことも自然と話せるようになり、家族の結びつきが強くなったそうです。
5. 思い出を形にする
●家族アルバムや動画を一緒に作成する
●思い出の品にまつわるエピソードを語り合い、記録する
●アイデア:デジタルフォトフレームを活用し、日々の写真を共有する
グリーフケアから学ぶ、大切なこと
グリーフケアの現場で多く聞かれるのは、「もっと一緒に過ごす時間があればよかった」「感謝の気持ちを伝えられなかった」という後悔の言葉です。だからこそ、今のうちから家族との時間を大切にし、思いを伝え合うことが重要なのです。
年齢を重ねたからこそできること
シニア世代は人生経験が豊富で、かつまだまだ元気な時期。この時期に家族の絆を深めることで、将来起こりうる別れに対しても、より良く備えることができます。
●世代間のコミュニケーションを促進する
●自身の経験や価値観を次世代に伝える
●家族の中での自分の役割を再定義する
明日からできる、小さな一歩
1. 家族に「大切だよ」と伝える1日1回チャレンジ
2. 週末の食事会で、その週のハイライトを共有する
3. 月に1回、家族で思い出の写真を見返す時間を作る
グリーフケアは「今」を大切にすること
グリーフケアの視点で家族の絆を深めることは、決して悲しいことではありません。むしろ、「今」この瞬間を大切にし、家族との絆をより強く、より深いものにする素晴らしい機会なのです。
グリーフケアの考え方を取り入れることで、残りの人生をより豊かに、より幸せに過ごすことができるでしょう。
今日から、あなたも家族との新しい絆づくりを始めてみませんか?
きっと、想像以上の喜びと発見があるはずです。