こんにちは。終活コーディネーターの吉原友美です。
「終活」と聞くと、自分のこととして考える方が多いかもしれませんが、
実は最近、「親の終活をどうすればいいかわからない」というご相談がとても増えています。
「親に終活の話を切り出したいけれど、どう話していいかわからない」
「“縁起でもない”と怒られそうで口にできない」
「何も準備しないまま最期を迎えたら……と不安になる」
──そう感じている方は、決して少なくありません。
終活に関する会話は、どこか触れてはいけないもののように扱われがちです。
けれど、そのまま話せずに時間だけが過ぎてしまうことが、後悔の種になることもあるのです。
実際、同じように「話したいけれど話せない」と悩んでいるご家庭は、意外と多いものです。
目次
なぜ“親の終活”は話しづらいのか?
親の終活について話そうとすると、多くの人が「そんな話しないで」「私はまだ元気よ」と反応されることがあります。
これは、日本に根付く「死を語るのは縁起が悪い」という価値観も影響しています。
また、親世代は「迷惑をかけたくない」という気持ちがあっても、何をどう準備すればいいか分からないまま年月を過ごしてしまうケースが多いのです。

一方、子ども世代は、「いざという時に何も知らなかったらどうしよう」「困ったことになる前に聞いておきたい」と思っています。
つまり、お互いに思いやっているのに、踏み込めずにいる。
これが、“親の終活が進まない”最大の壁かもしれません。
まず確認しておきたい3つのこと
親の終活について、いきなり細かく聞き出す必要はありません。
まずは、次の3つの基本的なポイントだけでも知っておくと、万一のときに慌てずに対応しやすくなります。
医療と介護についての希望

延命治療は希望するのか?
自宅介護と施設介護、どちらを望んでいるのか?
誰に世話を頼みたいと考えているのか?
財産や契約の情報

預金口座、保険、年金、不動産などの所在と連絡先
借入金や保証人の有無
書類や印鑑などの保管場所
葬儀やお墓についての考え

宗教・宗派、希望する葬儀の形式
すでに用意しているお墓があるかどうか
墓じまいや散骨などを考えているか?
この3点がわかっているだけでも、家族の精神的・実務的な負担を大きく減らすことができます。
どう切り出す?自然に話すコツ

「終活の話をしよう」といきなり言っても、親が身構えてしまうこともあります。
そんなときは、話題のきっかけを“自分ごと”にしてみると自然です。
たとえばこんなふうに。
「最近、同僚のお父さんが倒れて、家族が大変だったって話を聞いたよ」
「エンディングノートっていうのを少し書いてみたんだけど、意外と頭の整理になるね」
「自分の老後のことも気になってきて……お母さんたちはどう考えてる?」
責めたり、焦らせたりするような言い方ではなく、一緒に考えようというスタンスでいることが大切です。
また、親の友人や親戚が亡くなったときなども、自然なタイミングです。
「あのときどうだった?」「何か準備してたのかな?」とさりげなく聞くことで、会話の入口が開きやすくなります。
無理に聞き出そうとしないのもマナー

もし話を切り出しても「そんなの今は考えたくない」と言われてしまったら、それ以上深追いはしないほうがいいでしょう。
終活は本人のペースが最優先です。
ただ、まったく触れずに終わるのではなく、「よかったら見てみて」とエンディングノートや冊子をさりげなく渡しておくのも1つの方法です。
何かのきっかけで、後日親が自らページを開くこともあります。
強制ではなく、“入口をそっと置いておく”という姿勢が、今の時代には合っているのかもしれません。
まとめ:「終活の話」は、親子の絆を深める時間にもなる

親の終活について話すというのは、「死について話すこと」ではなく、
「これからも安心して生きていくために、どう備えるか」を一緒に考えることです。
「もしもの時に備えておきたい」「家族に迷惑をかけたくない」
──そう思っているのは、子どもも親も同じです。
終活の話は、タイミングや言い方さえ工夫すれば、親子の距離を縮めるきっかけにもなります。
大切なのは、“気をつかう”ことではなく、“気を配る”こと。
少しずつ、できることから始めてみましょう。
執筆:終活コーディネーター・吉原友美








