「なんて声をかければいいの?」――グリーフケアの視点から考える、葬儀の場での寄り添い方

  • #死別の悲しみを癒やす

身近な方を亡くした人に、何か言葉をかけたい――でも、どんな言葉が正解なのか、間違っていたらどうしようと不安になったことはありませんか?
特に葬儀の場では、あいさつひとつに迷いが生じることも多いものです。
終活を意識しはじめた世代の私たちにとって、「見送る側」になる機会も増えていきます。
そんなとき、悲しみの中にいる方に対して、少しでも心に寄り添える言葉をかけられたら、それは大きな力になります。
このコラムでは、“グリーフケア(悲嘆ケア)”の観点から、葬儀の場での自然で思いやりのある声のかけ方をお伝えします。

「言葉にしよう」と思わなくても大丈夫

大切なのは、「正しい言葉」よりも、「心があること」です。
たとえば、「かける言葉が見つかりませんが、お気持ちを思うと胸が痛みます」など、無理に前向きなことを言おうとせず、率直な気持ちを伝えることが、かえって相手の心に届くことがあります。

NGワードを知っておくと安心

グリーフケアの視点では、次のような言葉は避けた方がよいとされています。

「早く元気になってね」
「時間が経てば楽になるから」
「あなたなら大丈夫よ」

これらは励ましのつもりであっても、相手の悲しみを否定してしまう可能性があります。
悲しみには正解も期限もありません。
「ただ、そばにいる」という姿勢が、最も相手に届く寄り添いになります。

おすすめの言葉がけ3選

「どうかご無理なさらずに」
疲れている喪主の方には、何よりもいたわりの言葉が嬉しいものです。

「〇〇さんとの思い出、忘れません」
 故人の存在が確かにあったことを伝えることは、遺族の癒しになります。

「何かあればいつでも連絡ください」
 具体的な支援よりも、「気にかけてくれている」という気持ちが支えになります。

沈黙もまた「言葉」のひとつ

言葉をかけることだけが寄り添いではありません。
静かに手を握る、肩にそっと手を置く、目を合わせて深くうなずくだけでも、相手に伝わるものはたくさんあります。
グリーフケアでは、“聴く”こと、“そばにいる”ことをとても大切にします。

自分の「気まずさ」ではなく、相手の「心」に意識を向ける

声をかけるとき、私たちはつい「変に思われないかな」「泣かせたら申し訳ないな」と、自分の気まずさに目が向いてしまいます。
けれど、相手の立場になって考えると、どんな言葉でも思いのこもったひと言は嬉しいものです。

完璧な言葉はなくていいのです。
「心を込めて、そっと声をかける」。
それが、何よりのグリーフケアです。

悲しみに暮れる方に、何かできることがあるとすれば、それは「そばにいてくれる安心感」かもしれません。
私たちが終活を進める上でも、人生の最期の場面に、温かいまなざしを向けられる人でありたいですね。

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監修者

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𠮷原友美

常務取締役、終活コーディネーター。家族が早くに他界した経験から死生観を育成して生きる大切さを知る。終活セミナーでは絵本を使い死生観について伝え、最新の終活事情・葬儀・お墓・相続についてもわかりやすく解説。セミナー参加数は累計2万人以上の人気を誇る。

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